知っておこうフィリピン法

第109回 動産担保

皆さん、こんにちは。Poblacionです。先般、共和国法第11057号、いわゆる動産担保法が大統領によって署名されました。この法律は、人的財産を債務の担保とするための統一的かつ近代的な法律の枠組みを確立させるものです。

この法律にはどのような影響があるのでしょうか。銀行は従来、融資の担保には土地等の不動産が望ましいとしてきました。しかし、こうした慣行の下では、不動産を所有しない農業/漁業従事者や、その他零細/小規模/中規模企業(MSME)の事業主は、事業の経営及び発展のための資金調達に銀行の融資を利用することができません。動産担保法が承認されたことにより、MSMEは、装置、商品、家畜のような動産の他、知的財産権も自由に担保として提供できるようになりました。動産担保法の狙いは、MSMEによる融資の利用を促してMSMEに便宜を与えるのみならず、銀行の顧客層拡大を可能にして銀行にも恩恵を与えることです。

動産担保法の主なポイントを以下に記載します:

関連政府機関は現在、動産担保法施行規則を策定中です。LRAによる電子登記簿の構築もまだ完了していないようです。

新しい動産担保法は、フィリピン経済の重要セクターに繁栄の扉を開く可能性を有するもう一つの法律と言えます。MSMEはフィリピン経済の根幹であり、仕事の創出にも重要です。貧困の削減と地方の発展には、農業及び漁業セクターの持続可能な成長が不可欠です。動産担保法の完全な施行が、最終的により公平かつ全体的な成長をフィリピンにもたらすことを期待しています。

2018/12/20

*本記事は、フィリピン法務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。 また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。 フィリピン法務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は当事務所にご相談下さい。


執筆者紹介

当事務所 フィリピン弁護士 Krizelle Marie F. Poblacion

フィリピン大学法学部次席卒業。2010年フィリピン司法試験6位合格。フィリピンのPoblador Bautista & Reyes法律事務所に勤務し、フィリピンにおける事業展開の様々な側面に関する助言及び支援を国内企業及び多国籍企業に提供。専門は、フィリピンの会社法及び商標法。2014年、配偶者の海外赴任に帯同して来日。同年11月に黒田法律事務所での勤務を開始以来、日本企業による対フィリピン投資事案を専門に扱う。

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