知っておこうフィリピン法

34回 フィリピンで車を運転する前に知っておきたい交通規則

皆さん、こんにちは。Poblacionです。今回は、フィリピンで車を運転するなら知っておくべき交通規則について、少しお話しましょう。

1.フィリピンでは、日本と違って右側通行です

フィリピンもかつては日本と同じく左側通行でしたが、1945年にオスメニャ元大統領によって大統領令第34号が発行され、米国を始めとする他の諸国の慣行に倣い、フィリピンでも自動車の右側通行が発令され、それ以来、フィリピンは右側通行の国となりました。この大統領令には、経済面及び政治面における以下の目的がありました。

(a) 米国からの輸入車の価格を下げること
(b) 第二次世界大戦中であったその当時、右側通行に慣れている米国軍隊が活動をしやすくすること

また、フィリピンでは右ハンドルの車の通行は禁止されています(日本ではハンドルが左右どちらの車両であっても通行は禁止されていません)。で右ハンドルの車をフィリピンに輸入して登録し、運転をした場合、刑務所に収監され50,000ペソの罰金を科されるおそれがあります。 ですので、フィリピンで車の運転をする予定があるのであれば、左ハンドル車の運転を練習しておくことをお勧めします!

2.交通量規制のため、マニラ首都圏ではナンバー制が導入されています

マニラ首都圏の道路は、いわゆる大渋滞と呼ばれる域を超えています。マニラ首都圏の各都市を24キロにわたり横断しているEDSAという幹線道路があります。このEDSAをラッシュアワーの時間帯に運転しようとすると、時速15キロ程度のノロノロ運転になります。クリスマスシーズン、洪水発生時、道路工事作業時には、しばしば「EDSAカーマゲドン」現象が発生します。

道路渋滞を緩和するため、マニラ首都圏の17都市ではナンバー制が導入されており、ウィークデーの朝7時から夜7時までは、民間車も公共車もマニラ首都圏の道路の通行が規制されています。どの車がどの曜日に通行を禁止されるかについては、以下のとおりナンバープレートの最後の数字によって決められています。

ナンバープレートの最後の数字

禁止されている曜日

1 又は 2

月曜日

3又は 4

火曜日

5又は 6

水曜日

7又は 8

木曜日

9又は 0

金曜日

ただし、民間車については、「該当日」に「該当」車を使用できる規制解除時間帯として、午前10時から午後3時までが設定されていますので、午後2時59分に「該当」車を使用するのは是非とも避けたいところです!

3.ナンバー制には、マニラ首都圏の一部都市で実施されている特別規則の適用があります

とはいえ、実際のナンバー制はもう少し複雑です。上記規則は、ナンバー制の一般原則に過ぎません。マニラ首都圏の一部都市では、以下のように規則が変更されています。

・マカティ市やラスピニャス市には、規制解除時間帯がない
・パシッグ市の規制解除時間帯は、長く設定されている(午前9時から午後4時)
・マリキナ市やモンテンルパ市には、ナンバー制は導入されていない
・タギッグ市やパラニャーケ市では、特定の道路に限ってナンバー制が導入されている
・パサイ市では、特定の道路を除いてナンバー制が導入されている

マニラ首都圏内のある場所から別の場所に移動する場合には、いくつかの都市を縦断することが必要になることもあるでしょうから、注意が必要です。マリキナ市からマカティ市に行きたいと思ったら、ケソン市を通り、パシッグ市を通って、さらにマンダルヨン市も通って行かなければいけないかもしれません。つまり、「該当」車を使って移動する場合には、通過する各市で適用されている特別規則を知っておくことが必要になるのです。このような煩わしさを避けるのであれば、自分の車は家において、タクシーを利用した方が賢明かもしれません。

4.外国の免許証があれば、フィリピンでも運転できます

旅行者であっても、外国の有効な免許証をもっていれば、フィリピンに入国した日から90日間、フィリピン国内の道路で車を運転することが認められています。フィリピンの滞在期間が90日を超える場合には、外国の免許証からフィリピンの免許証に変更申請することが可能です。すなわち、外国の有効な免許証をもっていれば、ペーパー試験や路上試験を受けずにフィリピンの非業務用免許証を取得することができるのです。その場合に必要となる書面は以下のとおりです。

・外国の免許証(免許証の記載が英語でない場合、発行国の大使館による公式英訳の提出が必要です)
・フィリピンへの入国日が記載されたパスポート
・査証又は外国人登録証
・政府又は認定医が発行した健康診断書
・ドラッグテスト結果

5.飲酒運転や薬物運転はご法度!

フィリピンでは最近、飲酒運転及び薬物運転禁止法が承認されました。この法律では、アルコールや危険な薬物等の影響下で運転する行為に対して罰則が規定されています。

この法律に基づき、法の執行人には、(制限速度超過、急停車、急ハンドル等により)アルコール又は禁止薬物の影響下で運転していると思われる人物に車を停止させ、ドライバーにアルコールテスト(検眼、歩行及び回転テスト、一本足立テスト)を実施する権利があります。アルコールテストで問題が見られたドライバーには、呼気分析装置や同様の測定装置を使ってアルコール血中濃度(BAC)の判定が行なわれます。非業務用乗用車(セダン、SUV等)のドライバーの場合、BACは0.05%以下でなければなりません。なお、トラック、バス、オートバイ、公共乗り物のドライバーの場合、BACは0.00%でなければなりません。また、禁止薬物の影響を受けていると疑われるドライバーには、薬物スクリーニングテストを受けることが要求されます。

飲酒運転や薬物運転に対しては、3ヶ月以上の懲役、2万ペソ以上8万ペソ以下の罰金が科せられる上、免許停止処分となります。飲酒運転又は薬物運転により傷害事故や死亡事故が発生した場合は、さらに重い罰則が科されます。

フィリピンでの運転に限らず、パーティーでお酒をたくさん飲んだら、運転はやめましょう!

 

2016/01/14

*本記事は、フィリピン法務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。 また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。 フィリピン法務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は当事務所にご相談下さい。

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