知っておこうフィリピン法

35回 フィリピンで仕事をするには雇用許可証と就労ビザ

皆さん、こんにちは。Poblacionです。皆さんはフィリピンで働く予定がありますか?もし、フィリピンで働こうと考えているのならば、合法的に仕事に就くためには、主に以下の2つが必要になります 。

(a) 労働雇用省(DOLE)発行の外国人雇用許可証(AEP)の取得
(b) (b) 入国管理局(BI)への適切な就労ビザの申請

外国人雇用許可証(AEP)

通常、就労ビザを申請する前にまずAEPを取得しなければなりません。実際、AEPは、BIで就労ビザを申請する際に要求される書類の1つです。

原則として、外国人がフィリピン国内において所得を伴う仕事に就くことを意図している場合は、必ずDOLEからAEPを取得する必要があります。ただし、AEPの申請を免除されている特定の外国人労働者もいます。これには、外交官として勤務する者、国際組織の職員、会社で取締役の職にのみ就いている者、及び外国籍の居住者(特定の種類の居住者ビザ保有者は例外)が含まれます。また、フィリピン国内での就労期間が6ヶ月未満の者もAEPを申請する必要はありませんが、BIから特別就労許可を取得する必要があります。

フィリピンで外国人が行なっている一般的な申請方法は、フィリピンに到着してからAEPを申請するという方法です(短期滞在ビザ又は観光ビザで入国し、後日これを就労ビザに変更します)。DOLEへの申請は、雇用契約に署名してから15営業日以内か、雇用が開始する前か、いずれか遅い方の時期までに行なう必要があります。必要書類の提出と申請料の支払を済ませると、DOLEによって申請が公告され、異議申立の機会が与えられます。その後、DOLEがAEPを承認すべきかどうかを判断します。AEPが却下される理由としては、以下のものがあります。

・申請書における事実の不実記載
・偽造文書の提出
・刑事事件における有罪判決又は逃亡犯罪人
・当該外国人労働者が就労予定の仕事について、適格性、能力及び就労意思を有するフィリピン人が存在する場合

AEPの有効期限は、1年間ですが、雇用契約と同じ期間にすることもできます(ただし、最長5年)。また、外国人労働者の職位に変更があった場合や就労先の変更が決まった場合には、新たなAEPの申請が必要となります。

適切な就労ビザ

外国人には、AEPの他に、適切な就労ビザも必要になります。BIから発行されるビザは、外国人労働者が雇用される企業に応じて様々です。以下に、一般的な種類の就労ビザを記載します。

ビザの種類

性質

事前手配就労ビザ
(通称「9(g)ビザ」)

もっとも基本的な就労ビザで、フィリピン国内で合法的職業に従事することを希望する外国人が取得できます。最初の有効期間は、BIの決定するところに従い、1年、2年又は3年です。

すぐに就労を開始したい外国人は、9(g)ビザが発行されるまでの間、仮就労許可(PWP)をBIに申請することもできます。PWPは、3ヶ月間、又は就労ビザが申請人に発行されるまでの間のいずれか短い方の期間、有効です。

特別一時渡航者ビザ
(「
47(a)(2)ビザ」)

これは、公益性及び公の政策を考慮して、基準を満たした外国人に発行される特別なビザです。このビザの発給を受けられるのは、フィリピン経済特区(PEZA)、投資委員会又はバターン自由港経済特区庁に登録された企業の外国人従業員等です。このビザの保有者には、法の規定や大統領の定めるところに従った特定の特権が与えられます。たとえば、PEZA登録企業の従業員には、数次入国ビザが発行され、入国料及び登録料の支払が免除されます。

ビザの有効期間は通常1年で、申請により更新も可能です。

共和国法第8756号に基づく特別一時渡航者ビザ

このビザは、フィリピン国内の地域本部及び地域営業本部の外国人スタッフ又は執行役員に与えられます。このビザの保有者は、入国料の支払や、フィリピンから一時的に出国する際の出国許可の取得が免除されます。ビザの有効期間は3年で、その後更新も可能です。

大統領令第1034号に基づくオフショア・バンキング・ユニットに対する特別就労ビザ

このビザは、外国の銀行からフィリピン国内のオフショア・バンキング・ユニットに赴任となる外国籍の者に発給されます。このビザの保有者は、入国料の支払や、フィリピンから一時的に出国する際の出国許可の取得が免除されます。ビザの有効期間は1年で、その後更新も可能です。

スービック-クラーク就労ビザ(SCWV)

SCWVは、スービック-クラーク経済特区登録企業の事業運営に必要な ライン機能を果たす外国人や業務及び責任を担う外国人に発給されます。SCWVには、数次入国の特権があります。このビザの保有者は、出国許可証、再入国許可証及び特別帰国証明書も免除されます。SCWVの最初の期間は2年で、その後更新も可能です。

条約貿易家/投資家ビザ

このビザは、米国、日本又はドイツの国籍を有し、現行の条約に従った取引又は通商の実施のみを目的としてフィリピンを訪れる者、又はフィリピン国内の企業の運営を発展させ方向付けることを目的として入国を求める者に発給されます。ビザの最初の有効期間は1年又は2年であり、申請により延長も可能です。

特別就労許可

6ヶ月を超えない範囲でフィリピン国内において就労し報酬を得る外国籍の者は、BIに特別就労許可を申請する必要があります。

 

特別就労許可を除き、上記のビザ特権は、当該外国人の配偶者や21歳未満の未婚の子供にも適用されます。尚、上記ビザ以外にも、法律に基づき外国投資家に発給される各種ビザが他にもあります。

フィリピンにおけるビザの申請手続はやや複雑であり、何通もの書類の作成が必要で、BIの事務所に何度も足を運ぶことになります。従って、フィリピンへの入国に詳しい弁護士や定評のあるコンサルティング会社を雇い、BIでの手続に関してアドバイスを受けることを強くお勧めいたします。

 

2016/01/21

*本記事は、フィリピン法務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。 また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。 フィリピン法務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は当事務所にご相談下さい。

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