知っておこうフィリピン法

43回 フィリピンにおける著作権についての基本的事項

皆さん、こんにちは。Poblacionです。今回は、フィリピンの著作権法についてお話しましょう。

著作権とは?

著作権とは、文芸、学術又は美術の分野における原著作物の作者が享受できる法的保護です。著作物には、書籍、小冊子、記事、書簡、楽曲、図面、絵画、装飾的意匠、視聴覚作品、コンピュータプログラム等が含まれます。

「原著作物」とはどういう意味?

ある作品が、別の素材を複製したものではなく、その作者が独自に創作したものであり、創作性を少しでも備えていれば、その作品は「原著作物」とみなされます。
では、短編作品を編集して作品集を発行したら、その作品集は著作権保護を受けられるのでしょうか。答えは、受けられます。文芸作品、学術論文及び美術作品を編集、脚色、翻訳又は翻案したものなど、二次的著作物であっても、通常、原著作物と同様に著作権で保護されます。

著作権保護の対象外となるものは?

以下のものは著作権保護の対象外です。

1. 着想、手順、システム、方法、概念、原理及びデータ自体
(例えば、テレビ番組の形式(クイズ番組の構成など)は、単なる概念であって、著作権保護の対象外です。よって、クイズ番組を放送するテレビ局は、ライバル局が同じような構成のクイズ番組を放送しても、中止を要求することはできません)
2. その日の出来事
3. 立法、行政又は法律上の文章
4. フィリピン政府の著作物
(ただし、政府の著作物を営利目的で利用する場合には、事前に政府の許可を得る必要があります)

著作権があるとできることとは?

著作権により与えられる重要な権利や特権はたくさんあり、その種類は以下の2つに分類されます。

1.財産権  -  以下のことを実施、承認又は阻止する独占的権利
・著作物又はその実質的部分の複製
・著作物の脚色、翻訳、翻案又は変形
・著作物の最初の公衆送信
・著作物の貸与
・著作物の公然陳列
・著作物の公演
・その他著作物の公衆伝達

2.著作者人格権  - 以下のことを行なう権利
・氏名表示
・変更
・著作物の変更、切除又は改変に対する異議申立
・自作のものではない著作物又は変形された著作物に関する著作者名使用の制限

著作権は誰のものでしょうか?

大抵の場合、著作物の作者が著作権者になります。ただし、職務上作成される著作物については、特別な規則があります。著作物が被雇用者の通常業務の範囲内である場合には、雇用者が著作権者になります。一方、著作物が被雇用者の通常業務の範囲外である場合は、たとえ著作物の作成に雇用者の時間、施設及び材料を利用していても被雇用者が著作権者になります。

また、委託を受けて作成された著作物の場合、その著作権は、当事者間で別段の合意をしない限り、委託した者ではなく作成者が保有することになります。

著作権を受けるには?

フィリピン政府機関への著作物の登録又は寄託などの手続きは必要ではありません。法律上、著作権は、著作物の作成時に自動的に与えられます。著作権者は、フィリピン国立図書館に著作物の登録及び寄託を行なうことができる、という法律の規定もありますが、この手続は任意のものに過ぎず、義務ではありません。

それでも、国立図書館に著作物を正式に登録し、寄託することを選択する著作者もいます。これは、自分の著作物に対する著作権を自らが保有することについて、さらなる法的証拠が登録証によって得られるためです。

著作権の登録方法は?

著作権登録の申請は、国立図書館又は知的財産庁のいずれでも行なうことができます。以下に、申請に必要な基本的事項を記載します。

・適式に記入された申請書

・著作権の所有又はその取得方法に関する証拠書類
所有権宣言書の書式はこちらから入手できます。なお、 著作権の譲受人は、関連する著作権譲渡証も提出しなければなりません。

・申請人の身分証明書
個人の場合、政府が発行した有効な身分証明書を少なくとも1通提出しなければなりません。法人の場合は、登記簿謄本の提出が必要です。

・代理人により申請する場合、著作者に代わって行為する代理人の権限に関する証拠書類

・登録料

・著作物の複製または写真2枚、又はオンラインもしくは記憶媒体により提出される電子コピー

もし、フィリピン居住者でない場合は、フィリピン居住者である代理人を通じて申請手続きを行なう必要があります。

著作権の保護期間は?

著作権は、原則として、著作者の生存期間プラス死後50年間存続します。ただし、氏名表示に関する著作者人格権(すなわち、著作物の作者として自分の氏名が表示されることを要求する権利)は、著作者の死後も半永久的に存続します。

 

2016/03/17

*本記事は、フィリピン法務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。 また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。 フィリピン法務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は当事務所にご相談下さい。

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