知っておこうフィリピン法

第61回 選挙に関して知っておくべき禁止事項

皆さん、こんにちは。Poblacionです。

2016年、フィリピンでは議員を入れ替える総選挙や、新大統領の選出が行われ、政治的にとても活発になる年です。フィリピンにおいて選挙は国民の関心が高い行事のひとつです。
もし、選挙期間中にフィリピンに訪れる予定がある場合は、以下の選挙期間禁止事項について知っておいたほうがよいでしょう。

外国人の介入は禁止!

選挙権があるのはフィリピン国籍を有する者だけです。外国籍の者がフィリピンの選挙に干渉したり、口出ししたりすることはできません。フィリピンの選挙法に基づき、外国籍の個人、法人及び事業体には、以下のことが厳格に禁止されています。

(a) 直接又は間接にいずれかの候補者又は政党を支援すること
(b) 方法を問わず、選挙に参加すること
(c) 選挙活動及びその他政党政治活動のために献金又は支出を行うこと

しかしながら、こうした厳格な介入禁止政策にもかかわらず、過去の選挙において、外国人及び外国団体が選挙の実施を観察することが、フィリピン選挙管理委員会(Comelec)によって許可されていました。Comelecに認められた外国の観察者達は、政府の役人や、政党、候補者、フィリピンメディアに対し、選挙に関するインタビューをすることが認められていました。実際の投票手続や、その後の開票や票の転送などの手順についても観察することが許可されていました。

選挙期間中は酒類禁止!?

選挙は間違いなく、盛んに論じられる話題になり、候補者の適格性や欠陥に関する議論にも熱が入りがちになります。これにアルコールが加わると、健全な選挙演説が無残な結果にもなりかねません。したがって、選挙関連の暴力行為を未然に防ぐため、選挙法により酒類禁止令が発効され、選挙の前日及び当日は、酒類の販売、購入、提供、そして飲酒が禁止されます。

厳しいと思われたでしょうか?でも、もしあなたが外国人旅行者なら、心配不要です!フィリピン観光省から旅行者向け施設と認定を受けているか、主に外国人旅行者にサービスを提供しているホテル、レストランその他の施設は、例外として、Comelecに免除措置を申請することができます。ただし、その施設において免除措置が受けられても、酒類を提供して良いのは外国人旅行者に対してのみです。ですから、酒類禁止令の期間中にフィリピン国籍の友達と食事をする機会がある場合、あなたはいつもどおり冷えたサンミゲルビール(フィリピンで有名なビール)を楽しむことができますが、フィリピン国籍の友人はおそらくアイスティーをちびちび飲んでいるだけでしょう。

銃器禁止令も

Comelecは、「選挙期間中」、すなわち選挙前の90日間と選挙後の30日間、銃器禁止令を発効します。銃器禁止令により、人々は、たとえ銃器携行許可を受けていても、追加の特別承認をComelecから得ていない限り、自宅や職場から銃を持ち出すことを禁止されます。もともと外国人がフィリピン国内で銃器を携行することは一般に許可されていませんので、銃器禁止令があなたに何か影響を及ぼすことはおそらくないと思いますが、あなたが警備員や警備会社を雇っている場合には、Comelecに対して必要な申請を行なうよう業者に要請しておく必要があるでしょう。

マネー禁止令も?

選挙期間中、票がお金で買われるという問題は常にあります。実際、以前一部の候補者が票と引き換えに有権者に200ペソから1,000ペソを支払ったという報道が、ありました。このような異常事態を受けてComelecは、清く正しい選挙を確かなものとするために、独創的(かつ、時には効果を伴わない)手段を考案しました。

Comelecは、2013年の選挙期間中に、票買いを目的とした通常とは異なる現金の備蓄を規制しようと「マネー禁止令」を打ち出しました。マネー禁止令では特に、以下のことが禁止されました。

(a) 選挙が行われる週の間、一日あたり100,000ペソを超える現金の引出し
(b) 選挙が行われる週の間、500,000ペソを超える現金の所持、輸送及び携行

言うまでもなく、多くの事業主が、国内の取引や商行為に支障をきたすだけであると主張し、このマネー禁止令に反対しました。フィリピン国内の銀行を規制する政府機関であるフィリピン中央銀行も、Comelecの命令には従わないと表明しました。最終的には、最高裁判所から制限命令が発効され、マネー禁止令の実施は中止されました。

日本でも2016年は選挙権年齢の18歳以上への引き下げや、参議院選、東京都知事選が行なわれたりと、何かと「選挙」が話題になっています。どの国でも選挙は一大イベントですね!

 

2016/08/05

*本記事は、フィリピン法務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。 また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。 フィリピン法務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は当事務所にご相談下さい。

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