知っておこうフィリピン法

第74回 フィリピンでの定年退職後の生活

皆さん、こんにちは。Poblacionです。

ひいきめ抜きにしても、フィリピンは、定年退職後の生活を送るのに良い国だと思います。たとえば、フィリピンでの生活費は、他の国々と比較してかなり安く済むため、貯金が底をつくこともなく長く安定した生活を続けられるでしょう。手が届く価格の住居を市内で見つけることも難しくありません。手頃な値段の美味しいお料理もたくさんあります(ファーストフードのセットメニューが250円という安さです!)。国中に、優良医療施設や、(世界でも有数の白い砂のビーチはもちろんのこと)数え切れない程の娯楽場所があります。本当に、フィリピンでなら少ない資金でも贅沢な暮らしができます。 

また、フィリピンのもう一つの魅力は、人々です。殆どのフィリピン人は、英語を話し理解できるので、コミュニケーションには問題がありません。それ以上に大事なこととして、フィリピン人はとても心温かく、フレンドリーで、面倒見がよいので、フィリピンで友達を作るのに困ることはないでしょう。

フィリピン退職庁(PRA)は、フィリピンでの定年退職後の生活を考える人のために、「特別居住退職者ビザ(SRRV)」という特別なビザを発行しています。このビザがあれば、外国籍の退職者は、希望する限り永久的にフィリピンで暮らすことができます。SRRVには以下の4つの種類があります。

 

1.SRRVクラシック

このビザを申請できるのは、活動的で健康な35歳以上の外国籍の退職者です。ビザ発給の条件として、外国籍の退職者は、一定額の定期預金を保有していなければなりません。その金額は、35歳以上49歳以下の退職者の場合は50,000米ドルであり、月額800米ドル以上の年金を受給している50歳以上の退職者の場合は10,000米ドルであり、また、年金を受給していない50歳以上の退職者の場合は20,000米ドルです。定期預金は、PRAの認定した銀行に保管する必要があります。外国籍の退職者には、定期預金に代えて、フィリピン国内の不動産(家屋、コンドミニアムのユニット等)に投資するという選択肢もあります。なお、その場合の最低投資額は50,000米ドルです。

2.SRRVスマイル

このビザを申請できるのは、活動的で健康な35歳以上の外国籍の退職者です。ビザ発給の条件として、外国籍の退職者は、PRAの認定した銀行に20,000米ドルという金額の定期預金を保有していなければなりません。SRRVスマイルビザの保有には、定期預金が必須であり、不動産への投資という選択肢はありません。定期預金を引き出すことができるのは、ビザを取消す場合、又は終末期のニーズや(重篤な病状、死亡、本国送還等の)重大事項発生時の支払に充てる場合に限られます。

3.SRRVコーティシー

このビザは、35歳以上の元フィリピン国籍保有者が申請できます。また、功績のある50歳以上の外国籍の者で、受給額1,000米ドル以上の年金/給付金をフィリピンに送金してもらえる者も、このビザを申請することができます。この条件を満たす外国籍の者には、退職した大使及び外交官、国際連合、世界銀行及び国際通貨基金の退職者、ノーベル賞受賞者、科学者並びに国際的慈善活動家が含まれます。ビザ発給の条件として、退職者は、1,500米ドルという金額の定期預金を保有しなければなりません。同退職者には、SRRVクラシックの保有者と同様に、定期預金に代えて不動産に投資するという選択肢もあります。

4.SRRVヒューマンタッチ

このビザを申請できるのは、病気療養中である35歳以上の外国籍の退職者で、医療又は臨床治療を必要とする人です。このビザを選択する退職者は、10,000米ドルという金額の定期預金を保有しなければならず、月額1,500米ドル以上の年金とフィリピンの病院で認められる健康保険も必要です。SRRVスマイルビザと同様に、定期預金は必須であり、ビザを取消す場合又は終末期のニーズ及び重大事項発生時の支払に充てる場合を除き、定期預金を引き出すことはできません。
なお、外国籍の退職者の配偶者や未婚者である21歳未満の子供も、SRRVクラシック、SRRVスマイル及びSRRVコーティシーの恩恵を受けることができます。退職者に帯同する扶養家族が3名以上の場合、3人目の扶養家族から1人につき15,000米ドルの定期預金の維持が追加で必要になります。ただし、扶養家族が元フィリピン国籍保有者である場合、定期預金の免除が受けられます。これに対し、SRRVヒューマンタッチビザの保有者の場合、帯同できる扶養家族は1名のみであり、これは外国籍の退職者の配偶者か子供のいずれかでなければなりません。

SRRVの保有者には、特に、以下の恩恵及び特権が与えられます。

1. 数次再入国許可の特権がある特別な非移民の地位。退職者は、自分の望む時にいつでも自由にフィリピンを出入国することができます。

2. 7,000米ドル相当の身の回り品及び家庭用品の輸入に関する関税の免除。身の回り品は、商業的数量のものであってはなりません。また、免税措置は、ビザの発給から90日以内に利用する必要があります。

3. 出入国管理局から外国人登録証を毎年取得することの免除。

4. フィリピンへの年金の送金に対する免税。

5. 他の政府機関からの書類(陸運局からの運転免許証、労働雇用省からの外国人雇用許可証等)を取得する際の無償支援。

 

普通とは違う定年退職後の人生を楽しみたいと思ったら、フィリピンで定年退職後の生活を送ってみてはいかがでしょう?

2016/11/02

*本記事は、フィリピン法務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。 また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。 フィリピン法務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は当事務所にご相談下さい。

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