知っておこうフィリピン法

第75回 銀行口座の秘密性

皆さん、こんにちは。Poblacionです。私達フィリピン人にとってクリスマスは、一年で一番重要な意味を持つ最大の休暇と言って間違いないでしょう。この時期にFacebookのページを開くと必ず、クリスマスパーティやプレゼント交換に加え、家族との再会や集まり等の写真や話題で溢れています。クリスマスは、宗教的祝日という意味合いも大きいですから、多くのフィリピン人は宗教的伝統も守っています。実際、2015年のクリスマス前にも、私は主人と目黒教会のシンバン・ガミに参加しました。シンバン・ガミとは、フィリピンで行われる「夜明けのミサ」のことで、私達フィリピン人は、クリスマス前の連続する9日間、早朝又は夜遅い時間にこのミサに参加します。9日間のシンバン・ガミに全て参加することができれば、どんなに無理な願いであっても叶うと言われています。億万長者になりたいという私の願いも叶いますように!

さて、お金の話になったところで、今回は、銀行口座についてお話したいと思います。人々が現金を懐にため込まずに銀行に預けることを促すため、政府は様々な法律を制定し、個人の銀行口座や投資に関する情報の不正な開示を禁止しています。

共和国法第1405号では、ペソ預金や政府投資債券を「絶対的秘密情報」としており、政府の役人や政府機関の他、いかなる人も、これらの情報を調査したりその内容を見たりすることはできません。このような財務情報を不正に開示すると、5年以下の懲役及び/又は20,000ペソ以下の罰金に科せられるおそれがあります。

一方、銀行秘密規則には、いくつかの例外もあります。例として、以下に該当する場合は、銀行による銀行預金に関する情報の開示が法律により認められています。

• 預金者が書面により開示を許可した場合
• 役人のかかわる弾劾事例の場合
• 役人による収賄又は職務怠慢の事例において、裁判所が命令した場合
• 預入れ又は投資されたお金が訴訟の主題である場合(例えば、現金を誤ってある人の口座に入金してしまったという事例において、裁判所は、お金が誤って入金されたと思われる銀行口座の調査を許可することができます。)
• 1)納税義務に関する妥協の申請、2)相続税のための個人総遺産の算定、又は 3)外国の税当局による情報請求への対応において、内国歳入庁長官により承認された場合
• 資金洗浄罪の可能性に関連して資金洗浄防止評議会により承認された場合

外貨銀行預金(ドル預金、円預金等)に関する情報も同様に、絶対的秘密情報とみなされます。開示に関する限り、外貨預金には実際のところ、より厳しい規則が適用されます。フィリピンの外貨預金法である共和国法第6426号には、政府の役人、政府機関の他、いかなる人も、外貨預金を調査することはできないと明文化されています。さらに、外貨預金は、差押え、仮差押えの他、その預金に関する裁判所、立法機関又は政府による命令の対象から除外されます。外貨預金について不正に開示すると、1年から5年の懲役及び/又は5,000ペソから25,000ペソの罰金に科されるおそれがあります。また、フィリピン中央銀行は、違反した銀行に対し、新たな外貨預金を受け入れる銀行としての認定の取消や、他の行政上の制裁等、罰則を課す場合もあります。

例外として、外貨銀行預金に関する情報は、以下のような特別の状況の場合に限り、第三者に開示することもできます。

• 預金者が書面により開示を許可した場合
• 1)納税義務に関する妥協の申請、2)相続税のための個人の総遺産の算定、又は3)外国の税当局による情報請求への対応において、内国歳入庁長官により承認された場合
• 資金洗浄罪の可能性に関連して資金洗浄防止評議会により承認された場合
• 公正な場合。(例えば、ある事件において最高裁判所は、フィリピン人児童強姦罪で有罪となった非居住者外国人のドル預金の調査及び仮差押えを許可しました。裁判所は、その非居住者外国人のドル預金を保護することは、そのフィリピン人犠牲者にとって不当に作用するばかりであり、正当な目的を果たすものではないと判断しました。)

以上のように、もしあなたが投資を行っていて、フィリピンの銀行に資金を預け入れがあったとしても、(通常であれば)その銀行預金が政府や一般に公開されることはありませんので、ご安心ください。

 

2016/11/10

*本記事は、フィリピン法務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。 また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。 フィリピン法務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は当事務所にご相談下さい。

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