知っておこう台湾法

第221回 100%外資による発電所

 日本で原子力発電所が次々と再稼働されている一方、台湾政府は「2025原発のない郷土(脱原発)」計画を打ち出し、2025年には原子力発電に完全に頼らないようにする方針だ。電力の安定供給を確保するため、現在、再生可能エネルギーの普及促進が積極的に行われている。

 外国人が台湾の電気事業へ投資することが可能かについて経済部投資審議委員会(投審会)は、「送電事業」および「配電事業」は、外国人投資条例第7条の外資投資規制項目に該当し、経済部の許可または同意を取得しなければならないと公布している。しかし、「発電事業」は外国人投資規制項目に該当せず、外国人による投資が可能だ。もっとも、外資が台湾企業に投資する場合は、投審会の許可を取得しなければならない。

 以前は発電事業に外資投資比率の上限規制があった。関連する規定として「民営公用事業監督条例」第16条があり、「民営公共事業は外資の参入や外債を抵当に借り入れができない。ただし、中央主管機関を通して、行政院の特別許可が下りた場合はこの限りでない」と定められている。しかし、行政院は海外からの投資を呼び込むため、97年7月に外資比率の上限を30%から50%に引き上げたのに続き、02年1月には上限を撤廃し100%外資による発電所を認めた。現在は100%外資の発電所が存在している。

太陽光発電、相次ぐ投資

 25年の脱原発計画に間に合わせるため、台湾政府は、再生可能エネルギー、特に太陽エネルギーの普及を推進している。例えば「太陽光発電推進2カ年計画」では、さまざまな遊休地を活用した太陽光発電装置の設置が推進され、16年7月から18年6月の間に屋上設置型を910メガワット(MW)、地上設置型および水上設置型を610MW完成させる目標だ。25年には、屋上設置型を3ギガワット(GW)、地上設置型および水上設置型を17GW、計20GWを完成させることを最終目標としている。

 このため、現在、多くの外資が台湾の太陽光発電ブームに目を付け、太陽光発電事業に投資している。

2018/01/21

*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は当事務所にご相談下さい。

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執筆者紹介

台湾弁護士 鄭惟駿

陽明大学生命科学学部卒業後、台湾企業で特許技術者として特許出願業務に従事した後、行政院原子能委員会核能研究所での勤務を経験。弁護士資格取得後、台湾の法律事務所で研修弁護士として知的財産訴訟業務に携わる。一橋大学国際企業戦略研究科を修了後、2017年より黒田法律事務所にて弁護士として活躍中。

 

(本記事は、ワイズコンサルティング(威志企管顧問(股)公司)のWEBページ向けに執筆した連載記事を転載しております。)