第327回 自転車2人乗りの解禁

従来、台湾では自転車の2人乗りは、幼児を同乗させることを含め一律禁止されていました。しかし、2019年6月19日に道路交通管理処罰条例が一部改正され、電力を用いない一般的な自転車および電動補助(アシスト)自転車については、交通部が定める要件を満たせば、幼児を同乗させることが可能とされました。

2020年2月27日、上記道路交通管理処罰条例の改正に対応させるべく、道路交通安全規則(以下、「規則」といいます。)が一部改正され、第122条各項において、自転車に幼児を同乗させるための要件が具体的に定められました。

2人乗り可能な条件

2人乗りが合法となるための具体的な要件は以下の通りです。

  1. 同乗させる幼児が1人のみであること(規則第122条第1項第1号ただし書き)
  2. 運転手が18歳以上であること(規則第122条第2項)
  3. 試験に合格した自転車に試験に合格した幼児用座席を取り付けて使用すること(規則第122条第2項)
  4. 幼児用座席が前方にある場合、同乗させる幼児が1歳以上4歳以下で、かつ体重が15キログラム以下であること、幼児用座席が後方にある場合、同乗させる幼児が1歳以上6歳以下で、かつ体重が22キログラム以下であること(規則第122条第2項)
  5. 自転車に試験の合格マークが標示されていること(規則第122条第3項)

上記規定に違反して、自転車に幼児を同乗させた場合、300台湾元(約1,100円)以上600元以下の過料が科されます(道路交通管理処罰条例第76条第2項)。

幼児の年齢や体重の要件をクリアしていたとしても、自転車に合格マークが貼られていなければ、違法な2人乗りとなりますのでご注意ください。

ゴルフクラブは違反のリスク

なお、規則第122条第1項第2号によると、自転車に積む荷物は運転手の肩の高さを超えてはならず、横幅はハンドルの幅より内側に収まらなければならないとされています。ゴルフクラブを持って自転車に乗った場合、この制限に違反してしまう可能性が高いので、併せてご注意ください。


*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

執筆者紹介

弁護士 福田 優二

大学時代に旅行で訪れて以来、台湾に興味を持ち、台湾に関連する仕事を希望するに至る。 司法修習修了後、高雄市にて短期語学留学。2017年5月より台湾に駐在。 クライアントに最良のリーガルサービスを提供するため、台湾法および台湾ビジネスに熟練すべく日々研鑽を積んでいる。

本記事は、ワイズコンサルティング(威志企管顧問(股)公司)のWEBページ向けに寄稿した連載記事です。