インドネシア技術取引

Ⅰ.インドネシア技術取引に関する序論
インドネシアで成長中の技術/デジタル経済市場は、ベンチャーキャピタルから大手テクノロジー企業までも含む国内外のテクノロジー投資家を惹きつけています。このセクターでは多くの大型取引が行われており、専門家の所見によると、投資家らの関心は今も高まり続けています。

そうしたことを受け、以下に最近完了した技術取引をまとめます。本稿で提供する情報は、発表されて公知となった取引に基づき編集しています。

Ⅱ.202111日から531日までの新規事業及び技術投資取引
2021年1月1日から5月21日までの間に完了した技術取引の一覧がこちらからご覧いただけます。

Ⅲ. 最近の技術取引に対するNLPコメント
2020年の新型コロナウイルス感染症蔓延による景気低迷にもかかわらず、2021年、インドネシアの新規事業に対する資金提供は伸びを示しました。パンデミックによる経済的影響にもかかわらず、社会的制約によりインドネシア経済のデジタル化が促進されたことにより、テクノロジー セクターは現在も成長を続けています。多くの関心を集めた具体的領域は、フィンテック、eコマース、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、物流及び輸送、教育工学、並びに健康科学技術です。

専門家らは、フィンテック セクターに潜在力があると見ています。なぜなら、正式な金融サービス、すなわち銀行業務に携わってこなかったインドネシア企業が多く存在するからです。専門家らは、eコマースも年内増大し続けるであろうと予想しています。

輸送及び物流の新規事業も、伸びているeコマース事業及びパンデミック中にインドネシア政府が課した流動化に関する各種制限の恩恵を受けています。一般のアクセスができるように開示されている情報によれば、30億米ドル(約50兆インドネシアルピア)というシリーズF資金調達をGojekが目指していることも、驚きではありません。ただし、一部の投資家は、資金提供の際にその額を開示したがらないため、実際の投資額は前記とは異なる可能性もあります。

さらに、教育工学及び健康科学技術のプラットフォームについては、2020年初頭から、多くの投資家が魅力的と捉えています。Google、Temasek、及びBain and Companyは、デジタル健康サービスの利用が、新型コロナウイルス前と比較して4倍になったと指摘しています。一方、教育アプリのダウンロード数は、2020年の間に3倍になりました。

上記のことを踏まえると、技術業界における投資環境は2021年後半も引き続き強化されていくものと予想されます。


*本記事は、一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は当事務所にご相談ください。

【執筆】
Nusantara Legal Partnership
Marshall Situmorang(パートナー),Audria Putri(シニア アソシエイト),
Aniendita Rahmawati(アソシエイト)