第21回 台湾のタバコ規制について
皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の外国法事務律師の佐田友です。
最近、「KANO」という言葉をあちこちで目にしたり、耳にしたりしますよね~。私はまだ見ていませんが、戦前の甲子園で行われた高校野球大会で準優勝した台湾の嘉義農林を取り上げた映画のことです。
実際の事実を私は知らないのですが、当時の嘉義農林は、中華系、原住民(高砂族)、日本人の混成チームだったという話がありますね。そこにどんな背景があったにしろ、協力して野球に打ち込んでいたのでしょうね~。私は小学校の低学年の頃、かなりの野球少年でして、高校野球は全試合見てましたし、過去の優勝校や準優勝校の名前もチェックしていたので、嘉義農林という名前は聞いたことがありました。映画で嘉義農林の活躍が、どのように描かれているか非常に興味があります。
話は変わって、今日は、台湾には煙害防止法(中文では、「菸害防制法」)という法律があるのを最近知ったので紹介いたします。スモーカーの方はご存知かもしれませんが、台湾のこの法律は、一定の場所における喫煙を全面的に禁止しています。例えば、高校以下の学校や政府機関,輸送機関や駅、金融機関や郵便局の営業場所、映画館など多くの場所が挙げられており、中には、三人以上が共用で使用する室内の仕事場という規定もあります。なぜ二人共用の室内の仕事場が除外されているのか、よくわかりませんが。夫婦二人で働く仕事場で、旦那の喫煙が違法だということになると夫婦喧嘩を助長してしまうからですかね~(笑)。そんなことはないか。
他にも、煙害防止法には特徴的な規定があり、例えば、「誰であっても、タバコの形状のキャンディー、点心、玩具やその他のどのような物品を製造、輸入、販売してはならない。」という定めがあります。一定の年齢以上の日本人にはなじみのある「シガーチョコ」(日本では今でも売ってるのかな??)なんかは、台湾ではダメってことになりますね。
テレビや演劇、歌などでも喫煙シーンを特に強調してはならないという規定もあり、子どもに「タバコを吸うのはカッコイイ」と思わせる演出を禁じているんですね。この点は、日本を含む多くの国では自主規制にとどまるものと思われます。
これらの煙害防止法の規定から、台湾では徹底的に子どもからタバコを遠ざけようという姿勢を読み取ることができますね~。
このようにスモーカーには厳しい法律がある台湾ですが、路上での歩きタバコまでは特に規制されていません。これに対して日本では、東京都の千代田区で路上での歩きタバコを禁止する条例が2002年にできて以来、いくつかの地方自治体で歩きタバコや吸い殻のポイ捨てなどが罰則付きで禁止されています。歩きタバコの禁止については、少しだけ日本の方が進んでいるようです。
台湾人の同僚に聞くと、日本の歩きタバコを禁止する条例が制定された流れを受け、台湾の立法院でも歩きタバコを禁止する法律の制定について議論がなされたようですが、結局、その法律案は立ち消えになったようです。
日本でも台湾でも、歩きタバコが子どもに当たって重大な障害を残す可能性もありますし、周囲のノンスモーカーの気分を害することもあるので、スモーカーの方はくれぐれもマナーを守ってタバコを吸ってくださいね~。
*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は当事務所にご相談下さい。
執筆者紹介
弁護士 佐田友 浩樹 (黒田日本外国法事務律師事務所 外国法事務律師)
京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日・中・英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。