第30回 台湾の美容師の腕前は・・・
皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の外国法事務律師の佐田友です。
先日、百貨店でマンゴーとライチを日本の親に送る手続をしたのですが、なかなかいい値段だったように思います。消毒や輸送などの費用がかかるでしょうから、暴利を貪られているわけではないのでしょうが、台湾に住んでいる身からすると、「いい値段」だと思っちゃうんですよね。
私と同じ考えを抱いていたからか、知人でマンゴーを日本に持って帰るべく荷物に入れていて、空港で没収された方がいます。皆さんも気をつけてくださいね〜。最近、ガソリン入りの容器を桃園空港の検査担当係員が見逃し、その係員が解雇されたというニュースがありましたので、きっと警戒が厳しくなってますよ〜。
さて、本日は、台湾におけるいくつかの専門職について書いてみます。
まず、表題にも挙げました美容師ですが、台湾には日本のような美容師の国家試験はありません。特に資格がなくても美容師を開業することは可能です。中国でも確か、資格はなかったはずで、中国にいたころには、路上で散髪屋を開業している方を時々見かけましたね。私が以前、住んでいました広州市には日本人の美容師さんが何人かおられ、駐在員やその家族には人気を博していたようです。私はそこまでこだわりがないので、ローカルのお店で髪を切ってもらっていたので、毎回、どんな髪型になるかドキドキしてましたね〜。帰宅して、妻から爆笑されたことも何度かありました。
台湾でも私はローカルのお店にお世話になっていますが、その散髪屋の方はいつも上手に整髪してくださるように思います。
国家試験ではないのですが、台湾には、美容、理容技術に関する「技術士技能檢定」という検定が存在しています。これらの検定に係る規範は、台湾政府の内政部が公告し、行政院の労工委員会が修正していることから、技術レベルに関する検定を政府が主催しているとはいえそうですね。これらの検定試験を経て丙級、乙級などの資格を取得すると採用や昇格において、比較的に有利なようです。
続いては、気象予報士について書きます。個人的に、気象予報士という資格が台湾に存在するのか気になっていました。というのは、台湾では日本ほど天気予報が正確でないイメージがあったからです(確かに、晴れていても、いきなり雨がたくさん降ったり、天気を予想するのが難しいという側面はあるのでしょうが)。あくまで私のイメージですので、実際には結構正確なのかもしれませんけど。
調べたところ、台湾にも気象予報士と呼ばれている人は存在します。国家公務員の試験に合格し、中央気象局などの政府機関に入って、 気象予報を担当する人がそれです。ただ、日本のような気象予報士の国家試験は存在しません。よって、台湾にも存在する民間の気象予報会社やTVで天気予報を担当している人は、大学で専門の知識を取得した人かもしれませんが、気象予報士という資格を有しているわけではないんですね〜。
最後に、台湾の専門職関連の法規を一つ紹介します。専門職業及び技術人員の試験法施行細則という法規があり、その法規には試験のある専門職業などが列記されているのですが、弁護士、会計士、建築士、医師、薬剤師、助産師、臨床心理士、獣医、不動産鑑定士、不動産仲介者など日本と同様の専門職がたくさん存在することがわかります。どの国においても必要な職業ですので、そんなに大きな違いはないのかもしれませんね〜。
*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は当事務所にご相談下さい。
執筆者紹介
弁護士 佐田友 浩樹 (黒田日本外国法事務律師事務所 外国法事務律師)
京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日・中・英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。