男性労働者の出産付き添い休暇

労働部は2014年10月に、出産付き添い休暇の立法目的をより確実なものにするため、男性労働者による出産付き添い休暇の取得期間の条件を緩和し、配偶者の分娩の前後十五日の間であれば取得可能とすることを発表した。

男性労働者の出産付き添い休暇について、現行の男女雇用平等法第15条第4項では「被用者の配偶者が分娩する場合、雇用主は三日間の出産付き添い休暇を与えなければならない」と規定されており、同条第5項では「出産付き添い休暇期間の賃金は通常通り支給する」と規定されている。

次に、出産付き添い休暇を取得できる時期について、現行の男女雇用平等法施行細則第7条では「(第1項)男女雇用平等法第15条第4項に定められる三日間の出産付き添い休暇については、被用者は配偶者の分娩当日及びその前後二日の計五日間のうち三日を選択して休暇を申請しなければならない。

(第2項)前項の期間に所定休日、記念日及びその他の法令の規定に基づき休日としなければならない日がある場合、いずれも休暇期間の中に含まれるものとし、別途休暇は与えない」と規定されている。
しかし、男性労働者の配偶者に陣痛の症状があったために出産付き添い休暇を取得したが、その後診断したところ単なる仮陣痛であった場合など、実務上しばしば、男性労働者が出産付き添い休暇を取得しても、出産に付き添えないケースが生じていた。

そこで、今回の出産付き添い休暇の取得期間に関する法改正が行われた。

男女雇用平等法第21条では、雇用主は出産付き添い休暇の申請を拒否してはならず、また、欠勤とみなしてその皆勤賞与、考課を左右し、又はその他不利な処分を行ってはならないことが規定されている。

雇用主が同条に違反した場合、同法第38条第1項及び第2項に基づき、雇用主は2万台湾元以上30万台湾元以下の過料に処され、また主管機関は当該違反を行った雇用主の会社名を公表し、雇用主が改善しない場合、主管機関は、処罰を連続して与える可能性があるため、特に注意が必要である。


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【執筆担当弁護士】

弁護士 黒田健二 弁護士 尾上由紀 台湾弁護士 蘇逸修