第560回 就業ゴールドカード
就業ゴールドカードは、就労許可、居留ビザ、外国人居留証および再入国許可などの四つの証明書を一つにまとめた個人向けの就労許可証であり、その有効期間は1年から3年の間で、有効期間が満了する4カ月前から延長申請が可能です。
有効期間中は、自由に求職、就職および転職をすることができます。一定の雇用主による雇用の必要がないことに加え、ほかのビザと比べて、その配偶者および子女が共に台湾に居住することを申請できることや、両親および祖父母が最長1年間の滞在ビザを申請できること、課税の減免、永久居留の申請条件の減免などの利点があります。
■申請条件
目下、申請が可能な人は10種の専門分野(科学技術、経済、教育、文化・芸術、スポーツ、金融、法律、建築設計、国防、デジタル分野)の人材に限られており、各分野で複数の異なる申請条件が定められています。
例えば、科学技術分野における申請条件の一つは、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェア技術、ナノテクノロジー、微小電子機械システム(MEMS)技術、オプトエレクトロニクス技術、情報通信技術、通信伝達技術、オートメーションシステムのインテグレーション技術、マテリアル応用技術、高精度センシング技術、バイオテクノロジー、資源開発または省エネルギーならびに先端基礎研究、国防および軍事戦略などの先端技術、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、拡張現実、ブロックチェーン、仮想現実、ロボット、または積層造形などのいずれかの分野で、比類ない能力を持つ人材、研究開発・設計における傑出した実績またはイノベーションの実績のある人材(学歴、職歴、学術研究の成果により判断する)となっています。
就業ゴールドカード申請のプロセスは複雑なものではありませんが、専門分野の条件はかなり複雑であり、上記では科学技術分野における一部の申請条件を紹介しただけですので、自身に適した専門分野でスムーズに取得したいとお考えの場合は、関連の専門家に事前に相談することをお勧めします。
*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。
執筆者紹介
陽明大学生命科学学部卒業後、台湾企業で特許技術者として特許出願業務に従事した後、行政院原子能委員会核能研究所での勤務を経験。弁護士資格取得後、台湾の法律事務所で研修弁護士として知的財産訴訟業務に携わる。一橋大学国際企業戦略研究科を修了後、2017年より黒田法律事務所にて弁護士として活躍中。
本記事は、ワイズコンサルティング(威志企管顧問(股)公司)のWEBページ向けに寄稿した連載記事です。