大学の専攻と弁護士を目指したきっかけは何でしょうか?
京都大学の工学部建築学科卒業です。建築学科を目指したのは小学校のころに鉄道模型が好きで、ジオラマを作りその中に鉄道模型を並べて遊ぶのが大好きでした。それが長じて都市計画に興味を持つようになり、京都大学の工学部建築学科に入りました。
そのまま建築業界に進もうと思っていたのですが、大学4回生のころに、ゼネコン汚職が大きな社会問題となりました。建築業界は利権の温床で、サラリーマンになってしまうと、犯罪に手を染めてしまう恐れがあり、むしろ、犯罪を取り締まる検察側の立場に身を置きたいと考え、司法試験を志したのです。大学の同級生たちは、自分の知っている限りでは、設計事務所に入る人もいれば、大手のゼネコンに入る人、学者になる人、市役所に勤めた人などがほとんどでした。
大学5回生のときに司法試験の勉強を始め、8回生のときに合格しました。合格までは約3年半かかりましたね。
そもそも検察官になりたいと思い司法試験の勉強を始めたので、司法修習の途中までは検察官になるつもりでいました。ですが、東京地裁での特別修習で、知的財産部に2日間通い、事件を見学し、特許について裁判官の説明に触れたとき、自分が理系だったということもあり、特許を扱う弁護士になろうと強く思いました。修習2年目の6月か7月頃だったと思います。
その当時は大手の法律事務所でも特許を扱っている事務所がほとんどありませんでした。いろいろな法律事務所を調べていく中で、黒田法律事務所を見つけました。この事務所なら、特許を中心とした国内外の知的財産権に関する研究開発段階からライセンス等の権利や紛争解決に至るまでの戦略的、総合的な法的アドバイスを行うことができると考えました。また、代表弁護士である黒田のパワフルさと先見性の確かさに驚き、ぜひこの事務所にお世話になろうと思い入所しました。
得意・注力している分野は、どのような分野でしょうか?
知財の紛争、契約関係に力を入れています。
弊所は国際的な案件を多く扱う事務所ですが、特にわたしは国際案件にこだわっているわけではありません。ですが、知財を取り扱うと当然国際的な案件は避けられず、いろいろ出てきますので、国際的な案件にも注力しています。
特に印象に残っている事例はありますか?
弁護士になって1年目から担当したLEDに関する特許裁判ですね。特許の侵害に関する民事事件でした。依頼を受けた時点でクライアントの形勢は不利な状態でしたが、連日徹夜をしながら準備書面を書いたり、裁判官を納得させるために当時の日本では異例のビデオを作成したりしました。
ビデオの作成は、既にアメリカにおける特許訴訟も多く経験していた代表弁護士の黒田が、アメリカの事例を基に発案したことでした。
裁判官に対して特許の対象となっている技術をわかりやすく説明することができましたので、効果的でした。ビデオを提出する前の法廷期日では、裁判官は相手方に対して有利な心証を持っているというような発言をしていたのですが、提出後には立場が逆転しましたからね。
この事件は最終的に6年かかりましたが、和解で解決しました。ハードな経験でしたし多くの勉強が必要でしたが、クライアントの方に満足していただけて、大変印象に残っています。
弁護士としてのやりがいはどういったところでしょうか?
クライントが喜んでくれるのが一番ですね。
知財に特化していえば、難しい技術や最先端の技術に触れられること自体にも面白さを感じています。
勝ち負けが関わる訴訟にも、もちろんやりがいを感じます。
やはり最終的には、クライアントにとって良いドキュメンテーションが作成できたといった結果を生み出せたときに、やりがいを感じます。
お客様との関係で一番大切にしていることは何でしょうか?
クライアントのビジネスを知ることと、そのビジネスの中で依頼された案件がどのような位置付けなのかを知ることですね。あとはスピーディーな対応を心がけています。
常にクライアントのニーズを考えながら、バランス感覚が必要だと考えています。最小限のコストで最大限のクオリティを出すことが大事だと思うので、努力をしています。
黒田法律事務所の特徴をお聞かせください。
案件に対して120%の力で徹底的に、かつ短期間でスピーディーに取り組む、というところが特徴だと思います。弁護士としては大変なこともありますが、やりがいがありますし、そういうところでお客様も信頼してくださっていると思います。